従来の捜査の定義

捜査とは、犯罪の嫌疑があるときに、捜査機関が行う公訴の提起・追行の準備活動であって、被疑者・被告人 の発見 、その身体確保、証拠の収集保全をいう。
従来の捜査の定義は犯罪の発生を前提として開始され、未だ発生していない犯罪の捜査を予定していない。
しかし、例えば、覚醒剤の取引が行われるのであろう蓋然性が高い電話の盗聴とか、ひったくりが行われやすい路上の街頭カメラの監視など、犯罪発生以前の捜査の必要性はある。
他方、これらの活動は捜査だとすると、刑事訴訟法上の捜査の原則である、デユープロセス、令状主義の精神をここにも働かす新しい捜査観が生まれている。