著作権
知財とは
「知的財産権」といえば、まずは、特許権、実用新案権、商標権、意匠権を指しますが、その他、不正競争防止法で保護される財産権、さらに著作権を含めて考えていいでしょう。
高度化した企業社会、情報化社会では、知財が高度に保護され活用されることが強く求められています。同時に、知財に関する紛争が増加することも予想されます。そのため、知的財産高等裁判所が新設されるなど、知財の保護、紛争疎迅速な解決がはかられています。
当事務所はそのなかで、この分野でのリーガルサービスの拡充に努力しています。
著作物の種類
言語の著作物 | 小説、脚本、論文、講演 |
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音楽の著作物 | 楽曲、歌詞、演奏 |
舞踊、無言劇の著作物 | 踊りの振り付け |
美術の著作物 | 絵画、版画、彫刻、書、美術工芸品、漫画、劇画 |
建築の著作物 | 建築物そのもの |
地図、図形の著作物 | 地図、学術的な性質を有する図面、図表、模型 |
映画の著作物 | 映画、テレビドラマ、ビデオ |
写真の著作物 | |
プログラムの著作物 | 昭和 60年に行われた著作権法の一部改正で、コンピュータ・プログラムが著作権法で保護されることが明確にされました。 |
二次的著作物 | 著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化、その他翻案することにより創作したものは、原著作物とは別の著作物として保護される。 |
編集著作物 | 百科事典、判例集、論文集 |
データベースの著作物 | 昭和61年の改正で、そのデータベースの保護が明確化されました。 |
著作物が侵害された場合
著作者、著作権者等は、著作者人格権、著作権等を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができます。
侵害者に対し、著作権等の侵害行為によって被った損害の賠償を求めることができます。
まずは、以下のような証拠を収集する必要があります。
- 著作権を主張するための証拠資料
- 著作権を侵害している物件(複製物等)の入手
- 著作権侵害者を特定する証拠の収集
場合によっては、著作権侵害の証拠とするため、証拠保全という手続を行うこともあります。
例えば、ある会社において自社ソフトウェアがライセンス数を超えて多数の端末にインストールされているといった場合、交渉又は裁判を開始した時点で、相手方が自分の端末からそのソフトウェアを削除してしまうといった不都合が生じます。このような場合、証拠保全の申立を行い、裁判所がこれを認めれば、相手方の会社にある端末における違法コピーの事実を証拠として保全することができます。
著作権侵害行為の停止又は必要に応じ、損害賠償等の請求を行うため、通常は話し合いを申し出、交渉を行います。話し合いを申し出るにあたっては、多くの場合、内容証明郵便による警告書という形を用います。
話し合いにより合意に至った場合、多くの場合には合意内容を「示談書」「合意書」といた書面にします。
話し合いがまとまらず、又は相手方がそもそも話し合いに応じない法的手続が必要となります。
早急に著作権侵害行為の停止を求めたいが、相手方が交渉に応じない場合又は交渉よりも法的手続が効果的であると判断した場合、仮処分の申立を行うことがあります。
一般的に、仮処分は、訴訟よりもスピーディに審理がなされます。
侵害者に対し、訴訟によって、著作権侵害行為の差止又は予防を求めることができます。その際、侵害行為を組成した物、侵害行為によって作成された物又は専ら侵害行為に使用された機械若しくは器具の廃棄を求めることができます。
また、侵害者に故意又は過失があり、侵害行為によって損害が発生している場合、損害賠償請求をすることもできます。
当事者間で話し合いによる解決の余地がある場合、裁判外紛争処理機関を利用したほうが迅速円満な解決を得ることができる場合があります。
例えば、代表的なADRとしては、次のようなものがあります。
- 日本商事仲裁協会
- 日本知的財産仲裁センター
- 弁護士会による斡旋・仲裁センター
- 文化庁による紛争解決あっせん制度
侵害者の故意が立証できる場合には、刑事告訴ができる場合もあります。
その他の救済手段として、プロバイダ責任制限法に基づく削除請求、侵害物品の輸入差止申立といった手段もあります。